AIを使って書いた記事は、検索で評価されるのか|56本を公開した自社メディアの数字と、Googleの線引き

検索結果を拡大鏡で確かめる記事の原稿と、表示数の棒グラフ、コーヒーカップと鉛筆を描いたイラスト
                                                   

AIを使って書いた記事は、検索で不利になるのか。公開中の56本がすべて検索に表示された自社メディアの数字と、Googleのスパムポリシーの線引き、AIが下書きして人が何を確かめているかを書きました。


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「AIで記事を書くと、検索で不利になるのではないか」「量産したら罰を受けるのではないか」。オウンドメディアを任された担当者や社長から、よく聞く心配です。

Googleが問題にしているのは、AIを使ったかどうかではなく、検索順位の操作を主な目的にした大量生成です。 デジタルプロモーション株式会社(以下、当社)のメディア「JOURNAL」は、AIを使って書いていますが、公開中の56本がすべて検索に表示されました。ただし56本には旧サイトから移した事例記事も含まれ、AIを使ったかどうかでは分けていません。AIの使用が表示や順位に与える影響は、この集計では判断できません。

当社は、記事の下書きにAIを使っています。この記事もClaude Codeで下書きを作り、確かめてから出しています。本記事では、自社メディアの検索の数字、Googleが公式に示している線引き、人が公開前に確かめていることを書きます。AIの扱いに迷っている地元企業の社長・広報、オウンドメディアの担当者に向けた記事です。

1. 結論:Googleが線を引くのは、作り方ではなく目的と中身

Googleのスパムポリシーでいう「大量生成されたコンテンツの不正使用」とは、ユーザーの役に立つことではなく、検索ランキングの操作を主な目的として、大量のページを作ることです。作成方法は問われず、生成AIを使ったこと自体は、この項目の条件ではありません。公式の文面は、次のとおりです。

大量生成されたコンテンツの不正使用とは、ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することを指します。

同じ項目には「その作成方法は問わず」という一文があり、例のひとつに生成AIが挙がっています。

生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること

例に挙がっているのは、生成AIの使用そのものではなく、「ユーザーにとっての価値を付加することなく」「大量に」作ることです。

生成AIのガイダンスも、同じ向きです。冒頭には「生成 AI は、あるトピックを調査したり、オリジナル コンテンツに構造化データを追加したりする際に特に便利です」とあります。そのうえで、次の2点を求めています。

  • 正確性、品質、関連性を優先する。「AI 生成コンテンツを公開する前に、手動でファクト チェックを行い、正確性と信頼性を確認することが重要」としている
  • 読者にコンテキストを伝える。自動的にコンテンツを生成している場合は、どのような自動化を使ったかの背景情報を、読者にわかりやすい形で追加することを「検討」するよう勧めている

同じガイダンスが触れている検索品質評価者向けガイドラインは、評価者が使うもので、「ランキングに直接影響することはありません」と説明されています。

ここまでは、Googleが文章で示している内容です。実際の判定の仕組みは公開されていないため、文面どおりに運用されているかは、当社には確かめられません。

この読みに立つと、記事ごとに確かめることは2つです。読む人の役に立つ中身になっているか。ページを増やす主な目的が、検索順位の操作になっていないか。次の章では、当社のメディアの数字を見ます。

2. 自社の数字:公開中の記事は、すべて検索に表示された

数え方は、次のとおりです。

  • 本数:WordPressの公開済み一覧で数えて、2026年10月13日朝の時点で56本です。旧サイトから移した事例記事も含みます
  • 表示とクリック:Google Search Consoleの記事ごとの数字です。直近28日(9月15日〜10月12日)で集計しました
  • 日付:Search Consoleの日付は米国太平洋時間です。日本時間の公開日時に合わせて補正して数えました

表示の有無

  • 公開中の56本すべてが、これまでに1回以上、検索に表示されています。 一度も表示が出ていない記事は、0本です(取得期間は2025年6月〜2026年10月12日)
  • 直近28日でも、全記事に表示があります。最も少ない記事で、4表示でした

公開から最初の表示までの日数

初期投入の7本と、公開日が実際と合わない1本を除いた48本で数えました。

  • 中央値は1日、最短は0日、最長は28日です
  • 35本が公開の翌日までに、43本が2日以内に、最初の表示を記録しました

「最初の表示」は、表示が1回出た日です。Googleにインデックス登録された日とは別の日付です。

直近28日の表示とクリック

  • 56本の合計は、表示3,733、クリック80です
  • 表示が多い上位5本で、全体の表示の38%を占めます
  • 記事ごとの表示数の中央値は45です

上位の例です。最も多かったのは、地域創生マーケティングとは?地方創生との違い・デジタル活用(表示477、クリック7)です。続いて、自治体・公共施設のデジタルサイネージ運用(表示311、クリック4)、Instagramの月次レポートをAIで作る手順(表示219、クリック10)でした。

表示が多い記事の傾向と、まだ分からないこと

表示の多い記事には、検索される需要が見える問いに、題名で直接答える記事が目立ちます。用語の定義、サイネージの運用、AIを使った手順などです。これは当社の見立てです。

別の読み方も成り立ちます。表示の差は、題名の需要ではなく、公開の時期と内部リンクの量で決まっているという読み方です。上位には5月に公開した記事も9月に公開した記事も入っており、公開からの日数と表示数に強い関係は見えません。ただ、内部リンクの本数は数えていません。どちらの読みも、この数字だけでは決められません。

数え方の限界

  • 直近2〜3日は暫定値で、後から増減します
  • 9月15日以降に公開した記事は、28日間の全期間を持ちません
  • クリックの合計は80と小さく、順位やクリック率の差に意味は読めません

3. 数字から分かること・分からないこと:AIを使ったかどうかの差

観察できたこと

  • AIを使って書いているメディアで、公開中の記事がすべて検索に表示された
  • 多くの記事で、公開から最初の表示までは1〜2日だった

判断できないこと

  • AIの使用が表示や順位に与える影響:当社のメディアには、AIを使わずに書いた、同じ時期・同じ種類の記事がありません。56本には旧サイトから移した事例記事とAIを使ったコラムが混ざり、公開時期も種類も違います。違いがAIによるのか、時期や種類によるのかは分かりません。AIを使ったかどうかで分けた集計もしていません
  • 表示が出た原因:記事の中身、題名、内部リンクなど、複数の要因が重なっています。どれが効いたかは切り分けていません
  • ほかのメディアでも同じになるか:56本、1か月分の数字です。再現するかどうかは分かりません

他社の調査も見ておきます。Ahrefsは、同社のAIコンテンツ検出ツールで、AIコンテンツの使用と検索順位の相関を計算し、相関係数は0.011で実質ゼロだったと書いています(2025年8月20日付の記事)。ただしその記事には、対象にしたページの数やAIコンテンツの判定方法が示されていません。参考にはなりますが、当社として裏づけを取ったものではありません。

「比べられないなら、この記事に意味がないのではないか」という見方もあるでしょう。そこで、比べなくても自社で確かめられる数字を、第5章に挙げました。先に、当社の書き方を説明します。

4. 当社の書き方と、公開前の確認

Googleは、作り方の背景情報を読者に伝えることを勧めています。この章が、その背景情報にあたります。

当社は、記事の下書きにAIを使っています。使っているのは、Claude CodeとCodexです。記事によってはClaude Codeが下書きを書き、実用的な手順を扱う記事の一部はCodexが書きます。

記事ができるまでの流れ

流れは、おおよそ次のとおりです。記事の種類によって、工程の一部は変わります。

  1. 設計書を作る:誰に何を伝える記事か、どの数字と出典を使うか、何を書かないかを、先に決めます
  2. AIが下書きを書く:設計書に沿って、下書きを作ります
  3. 出典を確認する:数字や制度の名前を、公式の資料に当たって確かめます
  4. 別のAIに読ませる:Codexに、第二の目として読ませ、指摘をもらうことがあります。指摘を採るかどうかは、人が決めます
  5. 社長の後藤が確認する:次に書く点を、公開前に必ず見ます
  6. 予約投稿にする:公開の日時を決めて、予約します

入稿の手順は、WordPressの記事入稿を自動化する手順に詳しく書きました。本記事では、「書く工程で、誰が何を確かめているか」に絞ります。

社長の後藤が公開前に確かめていること

公開前に必ず確かめているのは、次の4点です。

  • 正しい情報か:数字、制度の名前、日付が、出典と合っているかを見ます。AIの下書きは、もっともらしい誤りを含むことがあります。Googleが「手動でファクト チェック」を求めているのも、ここです
  • 自分の知識の中で解釈したものになっているか:AIが書いた説明や意見が、後藤自身が実際に見聞きして理解している範囲の解釈になっているかを確かめます。自分の理解の外にある主張を、AIの文章のまま出しません
  • 自分らしさが出る言葉や文を、少しだけ足す:後藤の書き癖は、AIでほとんど写せています。そのため、足す量は多くありません。数か所に、後藤の言い回しを入れる程度です
  • AIの文章を、そのまま出さない:下書きは、あくまで下書きです。確認と加筆をしてから出します

最後の点は、SNS運用ガイドラインのひな形で、SNS投稿の社内ルールとして書いた方針と同じです。メディアでもSNSでも、生成AIの文章は、担当者が自分の目で確かめ、手を入れてから出します。

問い合わせにつながった記事はあるのか

あります。件数や割合は出していません。この1例では、AIを使ったことの効果とは言えません。

5. 自社で点検する4つの数字

AIの使用の有無を比べなくても、「自社のメディアが検索で見える状態にあるか」は確かめられます。当社が見ているのは、次の4つです。

  1. 全記事が表示されているか:公開した記事のうち、Search Consoleで1回以上表示された記事の本数を数えます。公開本数と合っているかを見ます
  2. 直近で表示が0の記事はないか:直近28日の表示が0の記事を探します。0の記事は、原因を決めつけず、題名と検索語のずれ、内部リンクの少なさ、インデックスの状況などを追加で確かめる対象にします
  3. 公開から最初の表示までの日数:記事ごとの公開日と、最初に表示が出た日を並べます。日数が極端に長い記事を見つけます。Search Consoleの日付が米国太平洋時間である点に注意します
  4. 問い合わせにつながったか:順位や表示と別に、問い合わせの件数と、聞き取りで分かった経路を記録します。Search Consoleの画面では分かりません

1と2は、毎週数えても数分で済みます。3は、記事が増えたときだけ見れば足ります。4は、数字より、問い合わせを受けた担当者の聞き取りが頼りになります。

Search Consoleで見えることと、見えないことは、AI Overviewsの引用元に出たのに、その検索語のクリックは0だったにまとめています。ここでは繰り返しません。

6. 公開前に記事の中身を確かめる5つの点検

Googleが例に挙げているのは、価値を加えない大量のページです。その例から、当社が記事を出す前に自分に問う項目を作りました。これは当社の読み替えで、Googleが示した基準ではありません。

  • その記事にしか書けないことがあるか:自社の数字、自社で見聞きしたこと、自社の判断が入っているかを見ます。他の記事のつなぎ合わせだけになっていないかを確かめます
  • 同じ型の記事を、地名や店名だけ替えて並べていないか:中身がほとんど同じ記事が増えていないかを見ます
  • 検索語を入れただけの記事になっていないか:読む人の質問に、答えが書いてあるかを見ます
  • 事実と解釈が分かれているか:出典のある事実と、自社の解釈を、読む人が見分けられる書き方にします
  • 本数を増やすことが目的になっていないか:1本ごとに、読む人にとっての用途を言えるかを確かめます

AIを使うと、記事を速く書けます。速く書ける分、上の5点を省いたまま増やすことも、簡単にできてしまいます。当社が人の確認を残しているのは、この点のためです。

AIを仕事に入れる順番そのものは、AI導入の着手順で書いています。社内で使うのか、外に出すのかで始め方が変わる点は、地方企業と自治体のAI活用で整理しました。自治体がAIで作ったことを表示するかどうかは、シティプロモーションにAIをどう使うかで扱っています。

7. よくある質問(FAQ)

Q1: AIで書いたことを、記事に書くべきですか? Googleの生成AIのガイダンスは、どのような自動化を使ったかの背景情報を、読者にわかりやすい形で添えることを「検討」するよう勧めています。義務として書かれているわけではありません。当社は、読む人の信頼のために、本記事のように作り方を書く方を選びました(第4章)。

Q2: 何本までなら、AIで書いても大丈夫ですか? スパムポリシーの文面には、本数の基準は書かれていません。線引きの条件は、「検索ランキングの操作を主な目的」にしているか、「ユーザーにとっての価値」を付加しているかです。本数ではなく、1本ごとの中身で点検してください(第1章、第6章)。

Q3: AIの文章だと、Googleに見分けられますか? 当社は、見分けられるかどうかを検証していません。分かっているのは、Googleのスパムポリシーが「その作成方法は問わず」と書いている点です。見分けられるかを考えるより、読む人の役に立つ中身かどうかを点検する方が確実です(第1章)。

Q4: AIを使うと、検索順位は下がりますか? この集計では、AIを使うと順位が下がるかどうかは判断できません。AIを使って書いたメディアの公開中の記事は、すべて検索に表示されていました。ただし、AIを使わない場合と比べていないため、順位が上がるか下がるかは言えません(第2章、第3章)。

Q5: 古い記事を、AIで書き直してもよいですか? Googleの方針:書き直し自体を禁じる文面は、確認した範囲にはありません。ただし、複数のページの内容を、価値を加えずにつなぎ合わせることは、スパムポリシーの例に挙がっています。 当社のおすすめ:書き直したら、事実を出典で確かめ直し、更新日と変更点を読む人に分かるようにしてください(第6章)。

Q6: 小さな会社が、まず点検するのは何ですか? 公開した記事が、Search Consoleで表示されているかです。全記事の表示の有無と、直近28日で表示が0の記事の有無を数えてください。毎週数分で足ります(第5章)。

Q7: AIで書いた記事は、問い合わせにつながりますか? 当社では、AIを使って書いた記事から問い合わせにつながった例があります。件数や割合は出していないため、「つながることがある」という範囲です。問い合わせは、Search Consoleの外で記録する必要があります(第4章、第5章)。

8. 次の一歩

まず、第5章の4つの数字を数えてください。全記事の表示の有無、直近28日で表示が0の記事、公開から最初の表示までの日数、問い合わせの経路です。そのうえで、AIで記事を書くなら、次の2つを先に決めます。

  1. 人が確かめる項目を、先に書き出す(事実、自分の知識の範囲、自分の言葉)
  2. 公開前の確認を、誰がするかを決める

AIの導入の進め方、社内のルールづくり、オウンドメディアでのAI活用のご相談は、AI活用顧問からお問い合わせください。


参考文献

  • Google 検索セントラル「スパムに関するポリシー」の「大量生成されたコンテンツの不正使用」(最終更新 2026-09-02 UTC、取得日:2026-10-13)https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja
  • Google 検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」(最終更新 2026-10-06 UTC、取得日:2026-10-13)https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/using-gen-ai-content?hl=ja
  • Ahrefs「高品質コンテンツを作成する Ahrefs 流 AI ライティング術」(2025年8月20日付、取得日:2026-10-13)https://ahrefs.com/blog/ja/my-complete-ai-content-process-for-ahrefs
  • 自社データ:Google Search Console(2026-09-15〜10-12、検索タイプはWeb、記事ごと)、WordPress公開一覧(2026-10-13取得)

※Googleの文面は、掲載日以降に変わることがあります。本記事の数字は、当社のメディアの2026年10月13日時点の値で、他のメディアに当てはまるとは限りません。


最終更新日:2026-10-13/初回公開予定 2026-10-16 著者:後藤晃(デジタルプロモーション株式会社 代表取締役社長)。著書『マーケティングで挑む地域創生』(2025年)、シェア出版『「ゼロイチ」の挑戦 Vol.2』第10章寄稿。駅前・街頭のデジタルサイネージ網「タウンビジョン」を全国展開し、サイネージ・SNS・地域メディアを組み合わせた運用代行を専門に手がける。

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