MEO対策を外注する際は、順位改善に向けた施策の説明と、上位表示の保証を区別して考える必要があります。Googleは代行業者が「上位に掲載されることを保証する」行為そのものを禁止しているため、順位保証を掲げる業者は、Googleのポリシーに反した営業をしている可能性があります。
外注先の良し悪しは、順位の約束では見分けられません。見分けるべきは、契約と運用の中に「オーナー権限」「事前の通知」「請求の記録」「解約時の引き継ぎ」がどう書かれているかです。 Googleは代行業者向けに、これらを定めたポリシーを公開しています。本記事は、このポリシーを7項目の確認表に置き換え、料金の型、見積書の比べ方、口コミ施策の注意点まで、契約前に確かめる点を整理します。
1. 結論:外注の良し悪しは「順位の約束」ではなく「権限と記録の持ち方」で見分ける
Googleは、企業に代わってビジネスプロフィール(Googleマップ上の店舗情報)を管理する事業者向けに、「サードパーティによるビジネス プロフィールの管理に関するポリシー」を定めています。ここには、代行業者が守るべき要求事項と、してはいけない行為の両方が書かれています。
要求事項の中心は次の3つです。
- 依頼主(店側)が常にオーナー権限または共同オーナー権限を持ち続けること
- 管理を始める前に書面で通知し、有料であることと請求内容を明確にすること
- 解約の申し出から一定期間内に、管理を依頼主へ戻すこと
そして、禁止行為として名指しされているのが「Googleサービスで上位に掲載されることを保証する」ことです。順位を約束する営業トークは、Google自身が禁止している行為に該当します。つまり、見積もりの説明で「順位保証」という言葉が出てきた時点で、その業者はGoogleのポリシーに反した提案をしている可能性が高いということです。
この後、§2でMEOのどこまでが外注で動かせるのかを整理したうえで、§3で料金の型、§4でポリシーを7項目にまとめた確認表、§5で見積書の比べ方、§6で口コミ施策の線引きを説明します。
2. MEOで外注が動かせる部分と、店にしか動かせない部分
Googleは、ローカル検索(Googleマップやマップ枠での検索結果)の順位が、主に関連性・距離・知名度という3つの要素で決まると説明しています。
- 関連性:検索語句とビジネスプロフィールが合致する度合い
- 距離:検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離
- 知名度:ビジネスがどれだけ広く知られているか
この3つのうち、距離は検索者の位置と店舗の位置関係で決まる要素で、外注でも自社でも直接は動かせません。 動かせるのは関連性と知名度の2つです。
関連性は、カテゴリ設定・説明文・投稿・写真といったプロフィール情報を正確かつ充実させることで整えられます。ただし、投稿や写真を追加すること自体が順位上昇を保証するわけではありません。ここは代行業者が手を入れやすい部分です。一方、知名度についてGoogleは「ビジネスにリンクしているウェブサイトの数やクチコミの数などの情報にも基づいています。クチコミ数が多く評価の高いビジネスは、ローカル検索結果のランキングが高くなります」と説明しています。
つまりリンクやクチコミは、知名度の評価に用いられる情報の一部です。代行業者は、クチコミを書いてもらいやすい導線(QRコード、来店後の案内など)や、返信の仕組みを作ることはできます。しかし、実際に来店した客が満足してクチコミを書きたくなるかどうかは、店の接客や商品そのものに依存します。知名度を高めるには、店側の顧客体験の改善も欠かせません。 外注に任せれば知名度が自動的に伸びるわけではない、という前提を持って提案を聞くと、過大な期待を避けられます。
商圏そのものの捉え方や、MEOを含めた店舗集客の全体設計はエリアマーケティングとは|店舗集客と商圏設計の実務で扱っています。MEOは店舗集客の打ち手の一つであり、他の施策との組み合わせ方は店舗集客の方法|認知×誘引×保持で組む来店動線フレームを参照してください。
3. 料金の型(月額固定・成果報酬・単発)と第三者の相場
MEO対策の料金体系は、大きく3つの型に分かれます。以下はSEM Plus(white-link)の記事で公開されている参考価格帯です(当社の料金ではありません)。
asantechの整理によると、月額固定型は、投稿代行と基本レポートだけの月額1〜2万円台から、戦略立案・競合分析・詳細レポートまで含む月額3万円以上のプランまで幅があります。同じ「月額固定」でも作業範囲がまったく違うため、金額だけで比較すると見誤ります(比べ方は§5で扱います)。
成果報酬型は、成果が出なければ費用が発生しない点が魅力に見えますが、注意も必要です。上位表示を達成しても、対象キーワードの検索需要や来店への関連性が低ければ、集客につながらない場合があります。契約前に、どのキーワードで、どの地点から検索した順位を、どの頻度で計測するのかを、契約書に明記してもらう必要があります。
4. 契約前の確認表:Googleの代行業者ポリシーを7項目に置き換える
Googleの「サードパーティによるビジネス プロフィールの管理に関するポリシー」は、代行業者に向けた要求事項ですが、依頼する側が見積もりと契約書を確認するチェックリストとしてそのまま使えます。
この7項目は、満たしていれば成果が出ることを保証するものではありません。ただし、満たしていない項目がある業者と契約すると、Googleのポリシー違反によるアカウント停止などのリスクを負うことになります。 違反の内容によっては、代理店のアカウントや管理対象のプロフィールに制限・停止などの措置が及ぶ可能性があり、店側も運用への影響を受けるおそれがあります。
当社(デジタルプロモーション)のMEO支援も、この7項目に沿って運用しています。店舗のビジネスプロフィールのオーナー権限は、店側が持ったままです。管理を始める前に、管理サービスが有料であることとビジネスプロフィール自体は無料であることを書面で伝え、請求書にも管理費用を明記しています。口コミ返信を代行する場合は、事前に店側の承認をいただいています。契約を終えるときは、店側が単独で管理できる状態に戻します。上位表示を保証する提案はしていません。
5. 見積書の比べ方:同じ「月額◯万円」でも中身が違う箇所
§3で見たとおり、月額固定型だけでも1万円台から5万円以上まで幅があります。金額を並べる前に、次の項目が見積書に含まれているかを確認すると、比較の土台がそろいます。
- ツール利用料:MEO順位計測ツールなどの利用料が月額に含まれているか、別請求か
- 投稿・写真更新の頻度:月に何本の投稿を作成するか、写真の更新は含まれるか。撮影の考え方は販促素材のワンソース・マルチユース設計|面ごとの仕様差と、作り直しをなくす撮影・切り出しの手順も参考になります
- クチコミ返信の代行有無:返信の下書き作成までか、投稿までを代行するか
- レポートの中身:順位だけを報告するか、通話・ルート検索・ウェブサイトへのアクセスといった「行動数」まで含めた報告か
- 初期費用:初期設定・写真撮影・キーワード選定に別料金がかかるか
- 契約期間と解約条件:最低契約期間の縛りがあるか、§4の確認表5番(解約時の引き継ぎ期限)が明記されているか
同じ「月額3万円」の見積もりでも、投稿を月4本作って終わりの業者と、クチコミ返信の代行とレポート分析までを含む業者では、中身がまったく違います。金額の比較は、この6項目を横に並べてからにしてください。
6. 口コミ施策の線引き(ステマ規制とGoogle規約の差)
クチコミを増やす施策には、景品表示法(ステマ規制)とGoogleの規約という、別々のルールが関わります。この2つは別のルールなので、分けて確認する必要があります。
景品表示法のステマ規制は、2段階で判断します。まず①投稿の内容に事業者が関与し「事業者の表示」に当たるかどうか、次に②それを一般消費者が事業者による表示だと判別しにくいかどうかです。消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aは、割引と引き換えにクチコミ投稿を依頼するケースを扱っています。口コミ内容についての指示を含まず、割引程度の対価にとどまる場合は「表示内容の決定に関与しているとはいえません。したがって、当該口コミ投稿は、通常、『事業者の表示』には当たらず、告示に違反しないと考えられます」とされています。一方で、「星5」を付けることを条件にするなど、投稿内容そのものを指定した場合は「事業者は表示(投稿)の内容を決定しているといえるため、『事業者の表示』に当たると考えられます」。そのうえで、一般消費者がそれを事業者による表示だと判別しにくい場合に、ステマ告示違反となります。ただし、広告であることを明示しても、Googleが禁止する謝礼付きの口コミ投稿が認められるわけではありません。
Googleのポリシーは、これとは別に、景品表示法より厳しい基準を定めています。Googleは「クチコミの投稿や否定的なクチコミの修正または削除と引き換えに、インセンティブ(金銭的報酬、割引、無料の商品やサービスなど)を提供する行為」自体を禁止しています。内容を指定するかどうかに関わらず、割引などの見返りとクチコミ投稿を結びつけること自体がGoogle違反です。加えて、「顧客からの否定的なクチコミの投稿を妨げたり禁止したり、肯定的なクチコミを選択的に募ったりする行為」も禁止されています(満足した客だけを選んでクチコミを依頼する、いわゆるレビューゲーティングです)。
つまり、景品表示法のステマ規制に抵触しない割引と引き換えのクチコミ依頼でも、Googleの規約では違反になり得ます。外注先の提案書に「割引券と引き換えにクチコミをお願いする」施策が含まれている場合、景品表示法とGoogle規約の両方への抵触を確認してください。
7. 自社でやる/任せるの判断
ここまでの確認表と見積もりの比べ方を踏まえたうえで、そもそも外注すべきかどうかを考えます。判断の軸になるのは、投稿・写真更新を継続して担当できる人が社内にいるか、クチコミへの返信を毎回自分で書く時間があるか、複数店舗を横断して管理する必要があるか、の3点です。
自社運用と外注のどちらが向くかをより詳しく整理したページとして、MEOコンサルティング・運用代行もあわせてご確認ください。似た「内製か外注か」の判断は、SNS運用でも起きます。工程を分解して判断する考え方はSNS運用は内製か外注か|工程分解と承認フローで決める体制設計で扱っているので、両方の施策を並行して検討している場合は参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「順位を保証します」という業者は本当に避けるべきですか? 避けたほうがよいと考えます。Googleは代行業者が「Googleサービスで上位に掲載されることを保証する」ことを禁止行為として明示しています。順位保証を掲げる時点で、その業者はGoogleのポリシーに反した営業をしていることになります。
Q2. オーナー権限を業者に渡さないといけないのですか? 渡す必要はありません。Googleのポリシーは「すべての最終顧客は、常に自身のビジネス プロフィールのオーナー権限または共同オーナー権限を保持している必要があります」としています。店側がオーナー権限を保持したまま、業者には必要な作業に応じた権限を付与するのが基本です。通常の運用は「管理者」権限でも対応でき、DPでも店側をオーナーとする運用を推奨しています。
Q3. 月額料金の相場はいくらですか? SEM Plus(white-link)の記事によると、月額固定型は月額1万〜5万円が参考価格帯とされています(§3)。ただし金額だけでは作業範囲が分からないため、§5の項目で内容を確認してから比較してください。
Q4. 成果報酬型は安全ですか? 契約条件を明確にすれば選択肢になりますが、注意点もあります。上位表示を達成しても、対象キーワードの検索需要や来店への関連性が低ければ、集客につながらない場合があります。どのキーワードを、どの地点から検索した順位で計測するのかを、契約前に明記してもらってください。
Q5. クチコミを増やす施策で、してはいけないことは何ですか? 割引などの見返りとクチコミ投稿を結びつけること、見返りと引き換えに否定的なクチコミの削除や修正を求めること、否定的な投稿の妨害、満足した客だけを選んでクチコミを依頼することは、いずれもGoogleが禁止しています(§6)。景品表示法のステマ規制に抵触しない場合でも、Google規約には違反することがあるため、両方を分けて確認してください。
Q6. 契約を解約したいとき、業者はどう対応する義務がありますか? Googleのポリシーでは、店側からの通知を受け取ってから7営業日以内に、業者の管理サービスとのつながりを外し、店が単独でプロフィールを管理できる状態に戻すよう求めています。数え始めるのは契約の終了日ではなく、店側が通知した日です。契約書に、この期限と、業者に付けた権限を外す具体的な手順が明記されているかを確認してください。なお、業者に付ける権限は「オーナー」か「管理者」の2種類で、閲覧だけに絞った権限はありません。管理者でも口コミへの返信や投稿、営業時間などの編集ができます。
Q7. 自社でやるべきか、外注すべきか迷っています。 投稿・写真更新を継続して担当できる人が社内にいるか、クチコミ返信の時間を確保できるか、複数店舗を横断管理する必要があるかで判断が変わります(§7)。まずは無料相談で現状を診断してもらうのも一つの方法です。
MEO対策の外注をご検討の際は、MEOコンサルティング・運用代行からご相談ください。
参考文献
- Google「サードパーティによるビジネス プロフィールの管理に関するポリシー」(取得日:2026-09-28)https://support.google.com/business/answer/7353941?hl=ja
- Google「ローカル検索結果のランキングを改善する」(取得日:2026-09-28)https://support.google.com/business/answer/7091?hl=ja
- Google「禁止および制限されているコンテンツ」(取得日:2026-09-28)https://support.google.com/business/answer/7400114?hl=ja
- 消費者庁「ステルスマーケティングに関する景品表示法上の考え方 Q&A」Q6・A6(取得日:2026-09-28)https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/stealth_marketing/
- asantech「MEO対策を外注するには?費用相場や選び方を解説」(取得日:2026-09-28)https://asantech.co.jp/blog/meo/outsourcing/
- SEM Plus(white-link)「MEO対策の費用相場は?」(取得日:2026-09-28)https://white-link.com/sem-plus/meo-cost/
- STOREPAD「MEO対策の外注先の選び方」(取得日:2026-09-28)https://storepad.jp/magazine/w7VlNRSW
最終更新日:2026-09-28/初回公開予定 2026-09-30 著者:後藤晃(デジタルプロモーション株式会社 代表取締役社長)。著書『マーケティングで挑む地域創生』(2025年)、シェア出版『「ゼロイチ」の挑戦 Vol.2』第10章寄稿。駅前・街頭のデジタルサイネージ網「タウンビジョン」を全国展開し、サイネージ・SNS・MEO・地域メディアを組み合わせた運用代行を専門に手がける。